最近は、包丁を持たないご家庭もあるそうなので、包丁が生活する上で必須かどうかについては色々意見があるかも知れません。
私にとっては料理をする上で、包丁は大事な道具の一つです。包丁の種類も色々ありますし、切る対象によっても求められる切れ味は異なります。仕事に使う包丁ですから、切れ味が悪いとスムーズに仕事がはかどらないこともあります。あらためて包丁の切れ味について考え始めてみると、わからないことが多いです。
包丁の種類
包丁は、大きく分けると和包丁と洋包丁に分けられます。和包丁の多くは片刃、洋包丁の多くは両刃です。包丁の種類については下記のホームページ等がわかりやすいです。
東京日本橋「木屋」:包丁の種類
やってはいけないことのいくつか
(1)錆びを放置すること
特に炭素鋼の包丁は、水分や塩分があると錆びやすいので、使ったら汚れや水分を拭き取って乾いた状態にしておく必要があります。ステンレスでも、錆びる場合があります。長期間使わない場合は、刃物用の油を塗っておくと安心です。
(2)鋼を高温にすること
鋼を使った刃物は、1000℃近くの高温から水や油にいれて急冷する”焼き入れ”の工程を経た後、もろさを改善するための~200℃程度の温度での”焼き戻し”をして、刃物として使えるようになります。”焼き入れ”した鋼を、高温にすると”焼きが戻る”ため、注意しなければなりません。例えば、鋼を使った包丁をガスの火にかざしたり、グラインダーで研いだりすると、焼きが戻って刃物として使えなくなる可能性があります。
(3)砥石の凹面を放置すること
自分で包丁を研ぐ場合は、砥石を使いますが、基本的に砥石の表面は、平面である必要があります。特に片刃の包丁の”裏”を研ぐときは、平面であることが重要です。砥石は、包丁を研ぐと通常は中央がくぼんできますので、”面直し”をして平面を保つようにします。
御家庭で包丁を選ぶ場合
冒頭に書きましたように、包丁を持たない家庭もありますので、まずは持つか持たないかの選択をする必要があります。
もし持つ場合は、最初に何を持つべきか? 家庭用であれば、形は牛刀、あるいは鎌形とか三徳包丁と呼ばれるものが使いやすいです。ステンレスや錆びにくい鋼を使ったものがいいと思います。あと、ペティナイフがあれば、果物の皮をむいたりするのに便利です。魚をご自分でさばきたい時には、5寸~6寸(刃渡り15cm~18cm)ぐらいの出刃包丁があるといいですね。
ステンレス製の包丁の中には、柄と刃の部分が一体になったものがあります。吉田金属工業のグローバル、ホンマ科学株式会社のグレステンなどが有名です。私自身は、グローバルのチーズをカットするための特殊なものしか持っていないので、使い勝手については申し上げられないのですが、家庭用として薦めている方もいるようです。
包丁に使われる鋼については、近いうちに書く予定ですので少々お待ち下さい。
包丁をどこで買うか?
包丁をどんな店で買うかは、悩ましいところです。もし、ご自分で包丁を研ぐのであれば、包丁専門店で購入して、研ぎについて分からない場合は、教えてもらえるような店がいいと思います。
私の場合、いくつかの専門店や鍛冶屋さんなどから買いました。道具に凝りやすいタイプなので、いつの間にか、包丁の数は一生かかっても使い切れない程になってしまいました。数が多くても、よく使う包丁は、自然と限られてきます。
包丁の研ぎ方
包丁の研ぎ方は、正解が一つというものではありません。研ぎ方に関する情報はインターネットや書籍から多く得られますが、実際に研いでみると、切れるようになるためにはある程度の経験が必要だと感じます。私の研ぎ方については、何回かに分けて書く予定です。
包丁に関する情報
包丁については、下記のサイトが参考になります。
(1)てまえ、板前、男前
(2)酔心
(1)は、素人も玄人も参考になる多くの詳しい情報のあるサイトです。包丁だけでなく、和食一般に関する幅広い知識が得られます。(2)は、どちらかと言えば、玄人むけだと思います。
また、書籍としては
「包丁と砥石」(柴田書店)
がいいのではないか、と思います。かなり専門的なことも書いてありますので玄人にも参考になります。逆に、初心者には難しいかも知れません。何冊か包丁に関する本を持っておりますが、包丁の研ぎ方などは、今でもこの本を参考にすることがあります。